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          メール・マガジン

     「FNサービス 問題解決おたすけマン」

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    ★第078号      ’01−02−09★

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     Application!

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●転んでもただでは

 

起きない、と決心しているわけではないけれど、結果は似たような

もの。  つい何ごとも、次につながるチャンスにしてしまう傾向。

自分ながら、チャッカリしてるなあ、と思うことがあります。

 

手に入ったものを大切にする、と言えば美点のようですが、ケチと

いうか、簡単には棄てられなくて持ち続ける性分。  そのうちに

それが、何かの役に立つ。  だからコンテンツは大切、、と呟く。

 

 

EM法の教祖は(当然!)プロセスが大切、コンテンツは誰かから

もらえば良い、とのたまい、プロセスさえ駆使できれば何でもOK、

のように説いておりました。

 

どちらが、、 というものではないでしょうが、根が現場人の私は

いわばコンテンツ人間。 教祖には蔑まれておりました。 しかし、

 

僅か2泊3日の研修でともかくも一通り学べるプロセスに比べると、

どの分野であれ、コンテンツの獲得には長い道のりがある。

 

一通り知るのに<年>単位の時間を要する、なんてのはむしろ常識。

たとえ天下の東大で4年間<法律>を学ぼうと、それは法体系の一

部分。 たしかに踏み入った、でも未だほんの爪先だけ、でしょ?

 

そこで、コンテンツを豊富に保有している人、と見れば相応の尊敬

を払う、、  学歴社会とは、まあ、そのようなものでした。

 

*   *

 

この頃は「もう学歴なんか、、」と言われますが、それなら、何が

問われるのか?  多分、行動すること、力を発揮すること、では

ありましょうが、、

 

その<行動>の裏付けは? その<力>のもとは?  コンテンツ

でしょうね。  燃料無しじゃロケットは飛べません。  しかし、

 

燃料を詰めればOK、でもない。 それにどう点火し、どう燃やし、

どこへ飛ばすか、は別問題。  それがソフト、それがプロセス。

 

**********

 

 

 

●サーモスタット屋だった頃、

 

アチラの同業を訪ね、トップたちに会ったついでに訊きました。

「企業のリーダーとして、いつも考えているのはどんなこと?」

 

何人かの答えで共通していたのが " Application! "、直訳すれば

用途、適用、応用、、、 つまりサーモスタットを、どんな機器の

どこに取り付けてもらい、どのように機能させるか、、 

 

アタリマエです。  サーモスタットは<機能部品>、それだけで

消費者に使ってはもらえない。 機器メーカーが「この機器の設計

に織り込みます」と言ってくれて初めて世に出られる商品。

 

だから大切なのは彼らにどう採用を決意させるか、どこにどうはめ

込ませるか? の工夫、即ち " Application! "。

 

 

そりゃそうだ! 目が覚めましたよ。 <若気の至り>を犯すこと

多く、未熟さを気にするあまり、経営者としていかにあるべきか、

なんて抽象的なことばかり考えていた私はバカでした。

 

自分の中身を充実させること、つまりコンテンツは大切に違いない

が、そうだ、おれはショーバイ人だったんだぜ!

 

その気で見直すと、Application 、色々なのが転がっていましたよ。

製品たるサーモスタットそのものだけではなく、人材、設備、材料、

取引方法、、  どれも、可能性を生かし切っていなかった、、

 

*   *

 

以来、ひと様の目にどう写ろうとも、お山の大将の特権を行使して

Application!  その結果出来上がったのは、変な運営組織、変な

人事配置、変な設備の活用、変な材料の採用、変なお客や変な用途

への売り込み、変な宣伝の仕方、、 

 

「世の常の会社じゃない」とも評されましたが、すべては<いかに

良いサーモスタットを効率よく作るか>への集中。 今にして言い

直せば、 MUST 、 WANT が極めて明確だった、ということ。

 

イノシシ年のせいか、もう直線的。  それが細部に及んだ一例は、

サーモスタット筐体に金属部品をカシメつける<銅鋲>。 ただの

組立用リベットですが、それを<無酸素銅>で、という徹底ぶり。

 

Oxide-free copper 、略してOFC。  ハイファイに詳しい方は

ご存知ですが、高級オーディオ用の看板的材料。  OFCコード

となると1メートル当たり数千円、1万円を超えるのもあるくらい。

 

金属に含まれるガス成分まで除去した高純度の銅。  熱や電気の

伝導度が高く磁気損失は少なく、小はヘッド・フォン、スピーカー、

マグネトロン等のコイルから、大は素粒子加速器の超伝導体にまで

なる、、  要するにスコブル高度な材料。 

 

信じられない、とか、勿体ない! と言われても、そうする必要が

あったし、効果は挙がったし、最終的にコストは下がった!

 

その説明が煩わしいと思われる方は、次の1節、飛ばして下さい。

 

*   *   *

 

サーモスタットは熱を被る運命。  金属は被膜を生じ、変色する。

導電部品は電気抵抗を増し、あるいはハンダ付けしにくくなります。

 

普通は安価な黄銅の鋲にニッケル・メッキなどをかけるが、これが

鋲の強度に不安をもたらす。  メッキ作業で金属に浸透する水素

が、金属分子間の結合を弱める、、  <水素脆性>と言います。

 

それが元で組み立てが緩めば、誤動作が生じます。 安全・快適の

ためのサーモスタットからヤケドや火事?!  Oh! Never happen!

 

鋲の強さを保つにはメッキしないに限る。 なら、熱で変色しない

材料、なら、純度の極めて高い銅、、 と追い求めてOFCに到達。

次なる課題は、この高級材料の「買い付け方の選定」。

 

結論:メーカーから直接購入。  今ならアタリマエでしょうけど、

30年前ですからね。  在来の<代理店制度>という金城鉄壁に

挑むという物騒な、体制破壊的手段でした。  そこで、考えた。

 

代理店とは、何をする存在か?  まず、アチコチから注文をかき

集め、メーカーの生産単位にまでまとめ上げます。  売り尽くせ

ない分は在庫し、緊急ないし小口の販売に当てる。  一方、

 

顧客からの代金回収の間、メーカーへ立て替えて支払い、回収不能

の場合のリスクをも負担する、、 何しろ家電の下請けはアブナイ

のが多かったから。  まあ、ショック・アブソーバーというか、、

 

で、我が社に代理店は必要なのか?  No! それら全部、まとめて

我々自身がやりゃいいんでしょ、メーカーさん?

 

おたくの生産単位量を当社の1回発注量とします、必要なら発注時、

前金で支払います。 予定以上に出来てしまった場合も、全量引き

受けます、、 ということでも、代理店の介在、必要ですか? と。

 

伝統的問屋制度、「そうは問屋が卸さない」と言うくらい。 初め

は相手にされなかったけれど、時間をかけ、筋を説いて、粘り勝ち。

 

それで品質や納期の情報も円滑に得られ、第一の目的ではなかった

けれど中間マージンも排除され、すべて順調達成。  やったぜ!

 

*   *   *   *

 

いかに瞬間最大風速的でも、当時世界最高の品質の裏には、こんな

ヒミツがあったのです。 しかしそれも、 Application! の成果。

 

<プロセスの活用>で迫ったとしても似たようなことになったかも。

しかし、現場人は毎日コンテンツにドップリ。 プロセス!と叱咤

するより、コンテンツの活用を!と奨めた方が通じやすいはず、、

 

しかしプロセスを援用すれば、コンテンツの活用度が高まるだろう

こと、言うまでもありません。 ところで上記の例、当世風に言う

<デコンストラクション>に当たるのではあるまいか。

 

**********

 

 

 

●<デコンストラクション>となれば

 

必ず出されるのがGEの部品購入の例。  ジャック・ウェルチの

モーレツぶりと共に、皆さん先刻ご承知でしょう。

 

長らく社長で、今は会長。  在任20年間で会社価値を80倍に

までした凄腕が賞賛されていますが、、

 

業界1位になれないものは棄てる、で<家電のGE>は無くなって

しまった。 リストラクションで集中させ、デコンストラクション

で効率を高め、当たるを幸いのなぎ倒しで、究極のハイテク会社に、、

 

その間終始、管理職連中に対して " UP or OUT! " 、能力を高めろ、

それが出来なきゃいなくなれ! で競争力強化に専念。  伴って

大量解雇も断行、、 人間をも気前よく<棄て>ました。 だから、

 

建物はそのまま、中の人間皆殺し、の中性子爆弾なみだというわけ

で<中性子のジャック>。  その彼が、いよいよ今年いっぱいで

辞める<予定>だという。  で、今、何を?

 

先夜のCBSルポは、毎月GEトレーニング・センターの階段教室

で若手幹部社員を相手にレクチャーしている彼。  OHPを操り、

クイズやジョークを連発。 魅力と迫力の講師、を演じていました。

 

ストール女史が質問する。 「引退前にやっておきたいことは?」

答えは「この1年以内に、会社を若返らせたい。 それには、イン

タネットの活用。 すべてのサービスをウェブに載せよう! さ」

 

そこで<ネット事業(のための)破壊集団>というグループを作り、

与えた訓辞が「これまでの経営のやり方を壊せ!」  やはり本質

<デコンストラクター>のようですな、彼は。

 

 

大変な勉強家で、一日中(文字通り)<立ち>働いて帰宅後、夜は

TVを観ながら2時間は仕事を続けるという。  あなたの会社の

トップ、<立ち>働いているかな?  あなたよりも勉強家かな?

 

聖徳太子みたいなところもある人で、奥方いわく、「レストランで

食事しながら私と会話を交わし、そのついでに隣のテーブルの会話

も聴いているんですよ」

 

それほど鋭い彼が、何故か最近まで、インタネットには全く無関心

だったという。  そう言えば、今でこそ「ネットの覇者マイクロ

ソフト」ですが、ビル・ゲイツも初めはウッカリしていたとか。

 

ネットに熱心だったのは、弁護士でもある奥方の方。 「ヤフーの

掲示板に、あなたのことが色々出てるわよ、、」 で彼も読み始め、

批判的コメントの数々が気になって、結局ハマってしまったという。

 

他の人と違っていたのは<そこから先>でした。

 

  出遅れた、シマッタ! で、取り返そう、追い付こうのあまり

  過激になる、ということは人間ならあってアタリマエ。

 

  ゲイツもそうだったし、戦後日本もまさにしかり。 どちらも

  その過激さで相当の成果を挙げました。 改むるに憚ることが

  無さ過ぎたわけで、顰蹙を買った点も同様でした。  今や、

 

  ウェルチも出遅れを取り戻し、先行者を<追い越せ>とばかり

  の大号令。  マスターするや否や自分のビジョンに織り込む、

  即ち Application!

 

*   *

 

「eビジネスこそ明日を生き抜く糧だ」とまで断言し、先頭に立つ。

前記レクチャーも、その一場面であったわけです。  君子豹変、、

 

コンテンツ豊富な彼が武器を得た、つまりオニが金棒を握ったわけ。

自信満々、「ドットコム企業はマヤカシだ!」と言い放つ。 え?

何ですって?!  「今頃になって彼らは倉庫の確保に躍起だが、

我々にはすでにそれがある!」

 

たしかにネット・ビジネス、他人のフンドシを借りて相撲をとる趣

が漂う。  文字通りバーチャル、どこかしら<虚>なのです。

 

が、<実>業として歴史を重ねて来た者には、<自分のフンドシ>

がいくらでもある。 それをどう生かすか、即ち、Application!

 

*   *   *

 

コンピュータの<アプリケーション>は、プログラム・パッケージ。

それは、マシンを文書作成機やら通信機やらに化けさせる<呪文>。

 

これでお前はスーパー・タイプライターになったんだぞ、など言い

聞かせ、その通りに働かせます。

 

なら、人間も。  呪文のかけ方がうまければ、スゴイことになる。

これまでの有形無形の蓄積を、新しいコンセプトで、新しいテクノ

ロジーに載せよう。  それが新しいアプリケーション!

 

ウエルチはそう叫んでいるのでしょう。 トップの座を離れる日を

目前に(と言っても、またどこかほかでトップに収まり直すだけで

しょうが)なお勇気凛々、いや楽しそうに若手を encourage する。

 

我が国の<上>が、きわめてしばしば discouraging であるのとは

対照的です。  自分でネットにアクセスしたことも無く、従って

<ネットの威力>をカラダで感得してない。 だから、発想も無い

し、ましてリードなどしないのが<上>にいるようじゃ、ねえ、、

 

あなたの Application! で、<上>にドライブをかけてやらにゃ、、

 

*   *   *   *

 

あらゆる<強み><弱み>を列挙し、それらを WANT 化しましょう。

「(強み)が生かしやすい」、「(弱み)の解消につながる」など

の記述で。  しかしどれも全く同じ願わしさではないはずだから、

10〜1の数値で<重み>を評価し、ワークシートに整理記入する、、

 

そして、それらをまとめて実現するような方法とは何か?と考える。

取りあえず一つの案をぶつけ、その内容的特長事実を WANT ごとに

コンテンツから取り出し、シートのマス目を埋めて行く、、

 

「ウェルチさん、あなた、どこからそんなドギツイ案を?」とでも

訊けば、だいたいそんな順序で考えた、と答えるに違いありません。

 

<DA:決定分析>とは、ざっとそのようなものだった、でしょ?

 

**********

 

無から有は生じない。 話には必ず種があります。 あなたのコン

テンツから、天馬空を往くがごときアイデアを生み出すことも可能。

 

Rational Process は Application 促進のツール! ですぞ。

                        ■竹島元一■

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